70年代の曲はすべて後追いなので、楽曲が世に送り出された当時のシーンと絡めることができないぶん、薄っぺらな回顧になるかもしれませんが、いってみたいと思います。今回はホール&オーツの初期の名曲です。
80年代の大活躍はあまりにも有名な二人。当時は来日公演の模様がよくテレビやFMで紹介されていましたが、リアルタイムのヒット曲もさることながら、この「She’s Gone」のような古い曲も魅力的でした。
タイトルから察するに、別れ(恋人との?)を歌った曲っぽいのですが、夜の孤独感を感じさせるイントロに続き、歌い出しのジョン・オーツの低音とダリル・ホールのファルセットの重なり具合がいい感じです。この曲での、ダリル・ホールのヴォーカルワークは素晴らしいですね。まるで何人もいるかのような多彩な声、歌唱法を堪能できます。じわじわと盛り上がっていく終盤に、たたみかけるような二人のヴォーカルの掛け合いも聴きもの。
セカンドアルバム「Abandoned Luncheonette」(写真)からシングルカットされたこの曲は、リリース当時はまったく売れなかったようですが、次作からの「Sara smile」のヒットをきっかけに、リバイバルを果たしたとのこと。名曲にスポットが当たるのは素晴らしいことです。
それにしても、最近、80年代に親しんだ曲に胸焼け感を覚えることが多く、70年代の楽曲のほうがしっくりくるようになったのは歳のせいでしょうか。