ポリス時代の名曲「ロクサーヌ」で、娼婦のことを歌ったスティングが、この曲ではなんと街角にたたずむ娼夫のことを歌っている。
あやしい夜の裏通りを連想させるサウンドに乗せて、ささやくように狂おしい歌声・・・ 何とも言えない悲哀に満ちた空間がそこにはある。
「私を非難できる?ちょっとした人生の違いで、あなたが私の立場だったかもしれないのよ」
少し気味悪く感じていたこの歌だが、サビの部分、主人公のこのプライドに満ちた言葉でハッとさせられ、いつの間にか、スティングのストーリーテリングの術中にはまってる自分に気付く。
ポリスの音楽とは随分と遠いところに来てしまったが、楽曲や歌声には、若い頃にはなかった深みがある。ポリスの先入観抜きに味わいたい世界。