寒い夜に、ほっくり芯から温まるようなナンバーを。ポール・ヤングお得意のカバー、90年に久しぶりのトップ10ヒットを記録。
1983年頃、この人がアルバム『No Parlez』で、メジャーシーンに登場してきた時、天然色のピュアな歌声と、妖しいサウンドの組み合わせに、それはゾクゾクしたものだ。
2ndアルバムでは米国での成功も掴み、来日も果たし(観に行った!)、そして、あのバンド・エイドでは、堂々トップバッターを務めた。
3rdアルバムでは、ポリスの『シンクロニシティー』や、フィル・コリンズとの仕事で有名なヒュー・パジャムをプロデューサーに迎え、ロック色の濃い楽曲にも取り組んだが、正直「う~ん・・・俺の求めるポールじゃない!」と感じたし、実際セールス的にも成功したとは言えなかった。
というわけで、80年代後半は、必ずしも順風満帆だったわけではなかったポールだが、90年代に入って、得意のカバー曲でチャートへのカムバックを果たした。
この「Oh Girl」という曲、オリジナルは米国のソウル・グループ、チャイ・ライツの1972年の全米No1ヒットらしいが、自分は聴いたことがない。
ポールのバージョンは、印象的なハーモニカの音色や、ソウルフルなコーラスのサポートを受けながら、成熟した大人の歌唱を披露。
刺激やスリルは皆無だけれど、その何の変哲もないところに、心地よい温もりが満ち溢れているのだ。
そんなポールも、もう50くらいのはず。近況は?